プロテーゼ法(人工乳腺法)

プロテーゼ法(人工乳腺法)とは人工的に作られたバッグプロテーゼをバストに挿入して、バストアップを行う豊胸手術法です。豊胸バッグ、インプラントなどとも呼ばれています。中に入れる内容物の容量が調整できるため、大幅なサイズアップをしたい方に適している手術法です。

現在、プロテーゼには様々な種類があります。従来は生理食塩水を入れたプロテーゼが主流でしたが、最近ではシリコンでできたプロテーゼが主流になってきています。また、形や表面の加工の違うものなど複数の種類があり、個人の体型や好み、希望に合わせたプロテーゼを選択できるようになってきました。

プロテーゼ法(人工乳腺法)の特徴

  • 大幅なサイズアップが可能。
  • 複数のプロテーゼから選択できるため、希望のサイズ、形などの理想のバストラインが実現できる。
  • バッグが破損しない限り、豊胸効果が持続する。
  • やせ型の体型でもサイズアップができる。
  • 脂肪注入法と比較すると費用が安価。(クリニックによって異なります)
  • レントゲンにバッグが写る。
  • カプセル拘縮のリスクがある。
  • バッグの劣化、破損などで取り出す(抜去)必要が出てくる場合がある。

代表的なプロテーゼ(豊胸バッグ)の種類

  • ■生理食塩水バッグ

    現在、バッグの素材はシリコンが主流で、内容物は生理食塩水です。バッグを小さい状態で挿入してから生理食塩水を流し込むため、切開の範囲が狭くて済みます。また、万が一バッグが破損して内容物が流出したとしても、体内に吸収されます。

  • ■ベッカータイプバッグ

    アメリカ メンター社製のバッグで、外側の素材はコヒーシブシリコン、その内側に生理食塩水バッグが入っている2重構造のバッグです。バッグを小さい状態で挿入してから生理食塩水を流し込むため、切開の範囲が狭くて済みます。また左右の大きさの調整ができ、術後の大きさ調整も可能です。

  • ■コヒーシブシリコンバッグ

    内容物は粘度の高いシリコンジェルです。万が一バッグが破損した場合でも、内容物が漏れにくくなっています。感触がやや硬めな点が問題となっていましたが、近年ではより感触が柔らかい「ソフトコヒーシブシリコンバッグ」が開発されており、プロテーゼ法で使用されるバッグの主流となっています。

  • ■バイオセルバッグ

    アメリカ マックギャン社製のコヒーシブシリコンバッグです。マックギャン社の特許技術であるバリアコートという3層構造のバッグで、内容物もソフトコヒーシブシリコンジェルなので、万が一バッグが破損しても内容物が漏れるリスクが低いバッグです。

  • ■メモリージェルバッグ

    アメリカ メンター社製のコヒーシブシリコンバッグです。バッグの外膜が4重構造で構成されているため、バッグの耐性が高く、内容物もソフトコヒーシブシリコンジェルなので、万が一バッグが破損しても内容物が漏れるリスクが低いバッグです。

  • ■クリスタルバッグ

    フランス ユーロシリコン社製の継ぎ目のないシリコンバッグです。ニューシル・シリコン・テクノロジー社製「液状高分子シリコン」に、9層の被膜精製とバリアーコートが施され、バッグの耐性が高いのが特徴です。また、内容物は生理食塩水のため、万が一バッグが破損して内容物が流出したとしても、体内に吸収されます。

  • ■ハイドロジェルバッグ

    生理食塩水とムコ多糖類(砂糖やでんぷん質に近い成分)を混合したジェル(ハイドロジェル)を内容物としたバッグです。柔らかく、自然に近い感触を得られるバッグですが、万が一バッグが破損した場合、内容物が流出し、体内に吸収されてしまうため、バッグが収縮します。また、ハイドロジェルの安全性については疑問の声も多く、FDA(日本の厚生労働省にあたる機関)は認証していません。

  • ■CMCジェルバッグ

    フランス アリオン社製の、CMC(カルボキシメチルセルロース)という物質と生理食塩水、メチレンブルーをバランスよく混合したハイドロジェルバッグです。柔らかく、自然に近い感触を得られるバッグですが、万が一バッグが破損した場合、内容物が流出し、体内に吸収されてしまうためバッグが収縮します。また、内容物のカルボキシメチルセルロースの安全性については疑問視されており、使用を禁止している国もあります。

プロテーゼの形

  • ラウンド型

    ラウンド型のイメージイラスト

    円形で平たい形(お椀型)でバスト全体にボリュームを出すことができます。バストが垂れてしまった方や、バストの上側が痩せている方向きの形と言えます。

    アナトミカル型

    アナトミカル型のイメージイラスト

    涙型でバッグの下の方が膨らんでいるため、バストの下側にボリュームが出るのが特徴です。釣鐘型のバストに仕上がりやすいので、バストの上側にある程度の脂肪がある方向きのバッグと言えます。

プロテーゼの形状

  • ■スムースタイプ

    表面がツルツルとした手触りが特徴で、感触が柔らかくバッグが動きます。豊胸手術後のマッサージが必要で、マッサージを怠るとカプセル拘縮のリスクが高くなると言われています。

  • ■テクスチャードタイプ

    表面がザラザラとした手触りが特徴です。豊胸手術後のマッサージが基本的に不要で、スムースタイプと比較するとカプセル拘縮が起きにくいと言われています。ただし組織とバッグが一体化するため、自然な動きは制限されます。

プロテーゼの挿入方法

  • ■大胸筋下法

    大胸筋下法のイメージイラスト 大胸筋の下、肋骨と大胸筋の間にバッグを挿入します。大胸筋の下にバッグを入れるため、やせ型で脂肪が少ない方でもバッグが目立ちにくく、自然な見た目に仕上がることが期待できますが、他の方法と比較するとバッグの動きが悪く、術後の痛みもやや強めです。

  • ■乳腺下法

    乳腺下法のイメージイラスト 大胸筋、大胸筋筋膜よりも上にバッグを挿入するため、弾力や感触が良く、自然なバストに仕上がることが期待でき、術後の痛みも軽い傾向にあります。しかし、バッグの形が出やすいため、やせ型の方にはあまり向いていません。

  • ■大胸筋膜下法

    大胸筋膜下法のイメージイラスト 乳腺の下にある大胸筋膜と大胸筋の間にバッグを挿入します。乳腺下法ほどではありませんが弾力や感触が良く、大胸筋下法よりも身体の負担が少なく痛みが軽い傾向にあります。しかし、やせ型の方の場合はバッグの輪郭が出てしまう可能性があります。