カプセル拘縮

プロテーゼ法による豊胸手術を受ける方が一番心配することの一つに「カプセル拘縮」があると思います。 「カプセル拘縮がどのようなメカニズムで起こるの?」
「対策や予防法があるの?」 などの疑問について解説いたします。

カプセル拘縮とは?

プロテーゼ法は一般的に「豊胸バッグ」と呼ばれる主にシリコンでできたプロテーゼをバストに挿入することで、バストのサイズアップを実現します。しかし、豊胸バッグは体にとっては「異物」なのです。そのような異物を挿入すると体内ではどのようなことが起こるのでしょうか?

バッグを挿入すると、体内では「異物反応」が起こります。バッグの周りにカプセルと呼ばれる皮膜(コラーゲン線維の膜)を作り、異物を皮膜の中に閉じ込めて体内組織と遮断して、異物から悪影響を受けないようにしよう、という反応が起こるのです。これ自体は体の正常な防御反応です。この皮膜が薄ければ問題ありません。しかし、バッグを締め付けてしまうほど皮膜がバッグを取り囲み、分厚くなってしまうと、バッグが変形したり感触が硬くなってしまいます。このような状態を「カプセル拘縮」と呼びます。

通常時とカプセル拘縮の比較イラスト

カプセル拘縮の予防法、対策

程度の差はあれど、体内に異物が入ってきた際に皮膜を作るというのは体の防御反応なので、残念ながら100%完全に防ぐということはできません。しかし、できる限りリスクを減らす方法はあります。

まずは挿入するバッグ選びですが、スムースタイプよりも、バッグの表面を加工してあるテクスチャードタイプのバッグの方が、カプセル拘縮のリスクが低いとされています。

もしスムースタイプのバッグを選択した場合は術後のマッサージがとても重要となります。バストをマッサージをすることにより、過剰なカプセル拘縮を防ぎ、バッグの動くスペースを広く確保します。このマッサージは痛みを伴いますが、医師から指示された通りの期間、どれだけしっかりと行ったかどうかによって、その後の満足度を大きく左右すると言っても過言ではありません。 クリニックによっては術後に超音波トリートメントやマッサージなどのアフターケアを行ったり、拘縮を予防する内服薬を処方するところもあります。

また、カプセル拘縮のリスクは個人の体質や手術時の出血や炎症によっても異なります。どんなに一生懸命マッサージを行っても拘縮が起こることもあります。術後も定期的にドクターの診察を受けて常にバストの状態を確認し、万が一異常がある場合は早めの対策をすることが、カプセル拘縮の進行を止める最大の予防法となります。

カプセル拘縮の程度

カプセル拘縮の程度は4段階に分けられます。下の表のグレード1、2まではそれほど大きな問題ではありません。しかし、グレード3、4まで拘縮が進んでしまった場合は、手術で皮膜を除去したり、バッグの抜去や入れ替えをすることで、解決することができます。

グレード1:バストを触った際の感触に、異物感がほとんどなく自然な状態である。グレード2:バストをよく触ればプロテーゼの感触があるが、かなり柔らかく手術をした本人もあまり不満を感じない。グレード3:バストが硬くなったと感じるようになり、触るとプロテーゼがはっきりわかる。グレード4:バストが非常に硬くなり、触るとはっきりとプロテーゼがわかり、見た目もテニスの硬球のような状態になる。